荒木孝文-そのまんま荘オーナーの呟き-

都内で地方就活生が無料で泊まれる「そのまんま荘」というゲストハウスを3年間やっています。

【ボッチリスナーが、人気番組のラジオでレギュラーになるまで】

【ボッチリスナーが、人気番組のラジオでレギュラーになるまで】
幼少期、テレビが禁止でした。
小学生の頃やたら厳しい両親の方針で、クレヨンしんちゃん両津勘吉を目の敵にされ「受験勉強に悪影響だし、目が悪くなるからダメ!」とテレビが禁止になってしまいました。
 
みんなが見ていた週ドラやアニメが見れないのは苦痛でした。
「今週の◎◎みた??めっちゃキュンキュンしたよね!!」
「SASUKE、めっちゃカッコ良かったね!!」
 
なんじゃそら……
全然ついていけへん…
 
シンプルに寂しかったです。
 
その分、中学からハマり出したのがラジオでした。
毎晩22時のSchool of ROCKや、FM85.1の日産アベレージ。
FM80.2(日)12時~18時までの週間ヒットチャート。
 
当時最新だったSonyウォークマン」で局番合わせて胸ポケットにソッと。 
リクエストをしたら「今日は読んでもらえるかな?」とドキドキしたし、毎週のヒットチャートは、クラスメイトとの共通の話題にもなりました。愉快で楽しいパーソナリティの声、和気あいあいとした雰囲気に、ずいぶんと心の隙間を埋めてもらいました。
 
 「いつかは、自分もラジオパーソナリティーのように誰かの孤独を楽しい時間に変えられる人になりたいなぁ。」 
ラジオに対して憧れを感じるようになったのは、テレビ禁止だった自分には自然なことでした。
 
だからこそ、すっごくワクワクしました…!
今度は、そのラジオを自分自身が届けるチャンスが巡ってきたとき…!
 
 
2020年3月より、ふとしたキッカケから
渋谷クロスFMというラジオ番組の
アシスタントパーソナリティを9ヶ月間つとめさせて頂きました。
 
笑いあり、失敗あり、学びあり、とても濃い時間でした。時には、大好きなラジオを自ら辞めようと思ったことさえありました。
そして、先週の日曜、大好きだった番組のラスト生放送を終えました。
憧れだったパーソナリティに実際になってみたからこその葛藤や、苦しみ。
困難をどのように乗り越え学び、成長してきたかブログにしました。
 
ちなみに、自分は出ないのですが今夜も20時~20時50分に
年内ラストの番組があるので、是非聞いてみてほしいです!
 
元宝塚の如月蓮さんや、ガールズダンスパフォーマンスユニットD-stageの皆さん
現在関わっているミュージカルのヒロインで元AKBの原田朱さんなど
超素敵で豪華な面々が約1時間の楽しい時間を彩られます!!!コチラ! 
 
 
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始まりは1本の電話。
「ラジオ出てみない?」
友人の中村 あかり からの突然のLINEコール。
 
トゥトゥトゥとトゥ~ん、トゥトゥトゥとトゥ~ん
 
「あるミュージカルを多くの方に知って貰うために
ラジオ番組があって、そのパーソナリティに空きがあるのだけど、
タカやって見ない?」とのこと。
 
なんだと!?めっちゃしたいぞ…!
ビックリしつつも、ラジオっ子やったから
やってみたい気持ちがジュわぁぁああーーーーと溢れてきました。
 

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ジュわぁあああ〜
 
「え、明日!?」
「いきなり過ぎん!?」
空きがあるのには、裏があって
予定していたアシスタントが急遽来れなくなったことが理由だったのです。
頭がクラクラしてしまいました。
漠然とした憧れはあっても、1㍉も心の準備ができていませんでした。
 
出来るかな?
失敗したらどうしよう?
迷惑かけたくない、、、
 
不安が一気に頭をバー〜ーーと巡ります。
 
 
けど、こんなチャンス、きっと滅多にないはず…
25年生きてて、ラジオ聞くことはあっても
出ることはなかった…。逃したら、もう無いんじゃね…?
 
それはそれで、勿体無いよな…… 
そうか、やって失敗しても不安だし、
やらなくても後悔しそうなら、やって失敗してしまおう。上手くいく可能性もあるし
 
「わかった、出るわ!ありがとう!!」
 
なに話したか頭真っ白であんまり覚えてはいないのですが、この一件から
愉快で奇跡の渦にドゥルるるるるるると巻き込まれていきました。
 
 

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ドゥルるるるるるるるる
(初回放送の体験については、コチラの記事にて!)
 
なぜだか、「翌々週も来てね」となって
なぜだか、番組のレギュラーになって
なぜだか、番組が広報していた「ミュージカル」に自分も出ることになって、
気づけば、ラジオの9ヶ月を終え
来週「ミュージカル」に出ることになっていました。(飛び過ぎすみません…)
 
 
トゥルルルる〜〜〜保ぎょぎょ〜〜
 

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トゥルルルる〜〜〜保ギョギョギョ〜
 
ラジオを始めたばかりの頃。
ズー〜んと落ち込むことが多かったです。
未経験のため戸惑うこと、滑舌の悪さ。テンパリで進行を乱すこともあって、その度、下を向きながら渋谷から家への道をトボトボ歩いて帰っていました。
 
(憧れやったはずのラジオやのに、、、)
(全然、うまく出来へん…。)
(なんでやねん、こんちくしょう。つれー)
 
さらに宝塚やAKBで活躍されてた方が出演するミュージカルの広報という
大切な任務への責任感から、罪悪感やら申し訳なさがポツポツ積もっていきました。
 
 
5月も過ぎたある日。少し慣れてきた気が緩んでいたのかもしれません。
凡ミスが重なってしまい罪悪感が心の中で爆発しました。
 
番組にはミュージカルの衣装を着て出ていて、ここが他の番組との違いで好評な部分なのですがその大事な衣装を家に忘れてしまったのです。顔面蒼白。自分だけ読み合わせに参加できず、焦るし申し訳ないし…。(衣装は、今夜の20時もあるので、是非見てみて下さい!)
 
悪いことは続くものです。番組中も、普段以上に噛み噛みになってしまい周りの顔が心配気味に曇る。毎回各界で活躍されている方を招待して15分ほど対談するコーナーがあるのですが、そこでも進行テンパってしまい、尺を削ってしまうミス。 
 
もうダメだ!!!!!!穴があったら入りたい。
  
 
【やってみたい!でスタートしたけど、
実際のところ素人でズボラな自分なんかが
ラジオするのは現実的無理だろ】
 
そもそも、プロの方々が命を込めて演じられるミュージカル。
ラジオにだってお金がかかっている。自分がいない方が、きっといや絶対良い。
 
インキャ思考が炸裂しました。
「もう辞めよう。しっかり謝って、もう出ないことにしよう。 」
 
憧れで始めたラジオではあったけど、
迷惑をかけてばっかりで、挙げ句の果てには大事な衣装まで忘れて読み合わせにさえ参加できない体たらく。好きで大切だからこそ、自分なんかがでていちゃダメだ。
 
 
「いつも迷惑ばかりかけて、ごめんなさい、、」
「自分噛み噛みですし、下手くそな上に衣装まで忘れてしまうし、もうダメダメですよね、、」
 
責任者兼舞台の監督の岩上さんに謝罪に行きました。  
当然怒られるだろうし、降板のタイミングについて話さなきゃ、という腹積もりでした。それだけプロ意識を感じる現場でした。
 
「誰でも最初は出来てなくて当たり前だよ」
「だから、精一杯できることをやればいいんだよ」
そう返されました。
 
 
9ヶ月経った今も、このときの言葉が心に残っています。何もかも初めて尽くしで、ラジオも舞台もダンスも出来ないことばかりで迷惑かけっ放しで罪悪感積もることは多いです。【けれど、初めは出来てなくて当たり前だし、そこから精一杯やることが肝心なんだ】と何度もこの言葉に支えられました。
 
 
積もり積もった罪悪感が
ジェットコースターのように吹き飛びました。
 
ピューーーーーん。

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ビューーーーーん
 
思い返せば、これ以後4ヶ月目あたりから
気負いや肩の荷が無くなり、心から楽しめるようになりました。
 
キャストと仲良くなれて舞台の練習がどんどん面白くなり、毎回招待されるゲストの先生方は素敵な方ばかりで視野を広げて下さりら元気をいっぱい貰い、こんな役得な仕事はない!!とホクホクでした。
 
例えば、前回いらっしゃった先生は元パリコレの高木 真理子さん。知的障害者の方にそのまんまの美しさややる気を、歩き方から発揮できるようサポートされてる先生で大変興味深かったです(ウォーキング関心ある方チェックされてみてください! )また共演者のたこちゃんからは舞台をいかに楽しんでもらえるかについてのヒントや学びを肌で教えてもらいました。マジリスペクトっす。
 
素敵な講師陣や、共演者の方とご一緒するうちに、罪悪感だらけだったラジオは楽しくて仕方のない時間になっていました。
 
間の取り方や、キャストに話を降ったり、タイムキーパーなど、少しずつ進行のスキルも上達していく感覚が面白かったです。(全部まだまだで修行中ですが…)また、舞台自体が年末にあるため、その広報自体が年内で最後になり、自分が担当するラストである先週のラジオは最高の時間にしよう!そう意気込んでいました。
 
「きっと、感慨深い時間になるだろうなー」
ウキウキ。
 
 
しかし、その2日前にやってしまいました。
 
舞台のために受けたPCR検査が陰性だと分かったその日から
ホテルで隔離生活を開始したのですが、これが裏目に出ました。
 
選んだホテルはコロナ対策で
一晩中空調をまわしてたのですが、これが逆効果に。
普段暖房を切って寝るので、朝目が覚めると冷えと寒さでダウン気味に。
  
ただ熱は36.5度で、咳は一切無かったので、監督さんに参加確認した上で少し休んでから伺いますとご連絡。全身にカイロ貼りまくって横になりました。仮眠でしっかりと回復、19時過ぎから渋谷のスタジオに入りました。
 
そそくさとゲスト講師との打ち合わせを終え、始まる前独特の静けさがある楽屋に挨拶に行き、とうとう本番を迎えました。
 
 
「トゥっトゥトゥーン~トゥトゥ(x2)」
20時、いつもの陽気な合図で番組が始まりました。他のキャストの助けもあり途中大きなトラブルもなく、順調に進行は進みます。
 
 
20時40分。
何事もなく、ゲストの先生が時間通りにスタジオから交代されました。問題なし。
 
 
20時49分。最後の最後。
トラブル発生。順調に進み続け過ぎたが故に、30秒ほど余り時間が出てしまったのです。
 
 
公共の電波の30秒はちょっと特殊でして、数千人のリスナーさんの大切な30秒です。また番組〆の30秒は、次聴いて貰えるかどうかを別ける大事な30秒。
 
 
進行のYomiさんがコチラに顔を向けました。スッ。
まるで時が止まったかのようでした。
 
(5月にミスったのと同じだ!!!)  
 
あの時テンパって周りが見えず、拾い損ねてきた「ここは宜しくね」の視線と気付きました。唾を飲み込みました。ゴクリっ
 
 
ここでミスればグダる。
 
それは嫌だ。ここだ。
最後のラジオ。
 
サッと【年末26日27日の舞台遊びに来て下さい!】という番組的にグッドかつ不自然のないトスを返しました。テンパリまくって、自分のコーナーさえ、何しゃべったか覚えてない事案多発してた自分からすると、マジ奇跡的快挙。
 
 
「体調微妙なときの方が、進行いいんじゃない??」と終わった後、岩上さんに詰られましたが、違います。この9ヶ月間の成長と言いたいです。笑(ヘタレなので、そうかもしれません、、とか言ってしまった、、、)
 
 
そんなかんやで、なんとかトラブルも乗り越え
9ヶ月に及ぶラジオには、悔いのない区切りをつけれました。
 
同時に終わった後、いつも出演者の皆様と写真を記念に撮るのですが
色んな気持ちがジンワリと沸き上がってきました。
 
 
寂しさだったり
有り難さだったり
公演やるぞーーだったり、、
 
(…色んな気持ちが溢れ、
まるで闇鍋を食べ切ったような心持ちでした。 )
 

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共演者との写真(直前までマスクしていました)
 
 
 
思い返せば、突然の電話してくれた中村には一生感謝ですし、ダメダメだった自分を切り捨てず励まし使ってくださった岩上さん達には頭が上がりません。また、元宝塚や、AKBの方、声優さんや役者さん、ゲストの先生など沢山の魅力的な方々と出会って来ました。
 
やってもやらなくても不安なら、やっちゃえばいいし、
初めては誰だって出来ないから精一杯やることが肝心だし、
辞めたくなっても、続けていればスキルも伸ばすことができる。 
 
大切なことは、ラジオが教えてくれました。
 
昔夢見ていた
 「いつかは、自分もラジオパーソナリティーのように
誰かの孤独を楽しい時間に変えられる人になりたい。」
に少しでも、近づけていたら嬉しいです。 
 
ただのボッチリスナーだった自分が
ラジオでレギュラーになるまででした。
 
ちなみに、そんな番組は9ヶ月間で視聴者をドンドン伸ばし100を超す番組から人気番組の1つにもなり、リスナーは初めの頃の数倍にまで増えているそうです。長文でしたが、最後までご精読ありがとうございました。 
 
PS
ラジオは区切りがつきましたが、年末26日27日の舞台まで、まだ少し時間があります。これまでラジオで培ってきた間の取り方や、共演者との繋がりをフルに活かして楽しい舞台にしたいです!ミュージカル好きな方や、初舞台興味あるよ〜!という方いましたら、是非こちらご確認ください!(チケットの取り置きも可能なので、気軽にご連絡ください~)
 
 
今夜の放送は20時~20時50分
こちらです!